企業が求める人材
前半の続きです。
企業ではどのような人材を求めているのでしょうか?
残念ながら多くの企業はスキルで人を選びません。「職場で他の社員とうまくやっていけるか」「自立して自己解決が出来るか」で選びます。「自分自身の問題と向き合えずに、上手くいかない原因は自分の外側にある」と思っている方は、残念ながら職場でチームとして共に働くことは難しいと思われてしまうかも知れません。
自分を見つめ直す
アルファの支援員は第三者的な立場から利用者さんへアドバイスをします。パソコンや実務のスキルアップ、資格取得だけを目指すのなら就労移行支援事業所に通う必要はありません。企業は「パソコンや実務のスキル、資格」だけで採用を検討しません。「職場で他の社員とうまくやっていけるか(ビジネスマナーやコミュニケーション力)。自立して自己解決ができるか。安定して出勤できるか。」といった観点で採用を検討します。
もし、あなたが「自分はいつも仕事が長続きしない」と悩まれているのなら、もう一度ご自身を見つめ直してみましょう。
SST(ソーシャルスキルトレーニング)
しかし、「自分を見つめ直す」ということは言葉で表すほど簡単な事ではないでしょう。
それを行う手法の一つとして、アルファではSST(ソーシャルスキルトレーニング)に力を入れています。精神保健福祉士のスタッフによる定期的な講座を中心に、外部講師の方をお招きしてより専門的なトレーニングを取り入れています。
人と関わるスキルをはじめとして日常生活に必要なスキルなど幅広いテーマの中から、自分が今困っていることなどを中心にスキルの獲得・向上を目指します。
SSTは簡単にいうと「社会生活を営む上での自分の困りごと」の解決に役立つと言えるでしょう。困りごとも困っている原因も一人ひとり違いますから、その対処方法もおのずと違ってくるはずです。そこで、SSTでは「ひとりひとり違った自分なりの対処法」をみつけていきます。
SSTは何度も練習が必要です。継続的に練習をすることにより確実に向上していきます。アルファでは毎月、様々なテーマでこのSST訓練を取り入れています。ご自身だけでは「自分を見つめ直す」きっかけがつかめない方もいらっしゃいます。また、継続して取り組むことも難しいかも知れません。何より、実践的な訓練では複数の人達でロールプレイやディスカッションなどは一人では行うことは出来ませんし、自分を客観的に見ることも難しいでしょう。ぜひ、アルファでこれらの体験をしてみてはいかがでしょうか。
施設長 花輪