適応障害とは
就労移行支援事業所アルファ王子 サービス管理責任者の日髙です。
本日は「適応障害とうつ病の違い」について解説させて頂きます。
適応障害とは、ある特定の状況や環境が自分にとって耐えがたいと感じ、強いストレスとなって気分や行動面に症状が現れる事です。
どのような環境や状況が強いストレスになるのかには個人差があります。
症状の具体例としては、憂うつな気分、不安感が強くなる、焦りが生じる、イライラ感等、身体症状として頭痛、めまい、動悸、倦怠感などが挙げられます。そして、その症状はストレスに直面しているときだけ出現し、ストレスから離れているときには比較的安定しているといった症状の出方が多いです。
うつ病とは
一方、1日中気力がわかず気分が落ち込む、何をしても楽しめないといった状態が長く続いている場合は、うつ病の可能性が高いです。
過労や人間関係のトラブルが大きく影響すると言われていますが、身体面、精神面など特定しきれない様々なストレスが重なって脳がダメージを受けている状態です。
脳が正常に働けていないため、物の見方が否定的になってしまい、自分はダメな人間だ…何をしても上手くいかないとどんどん自分を追いつめてしまう方もいます。症状としては適応障害と似ていて、気分の落ち込み、何も楽しめず興味を持てない、食欲増加もしくは低下、睡眠障害、疲労感などが挙げられます。
うつ病と適応障害の違いについて
適応障害とうつ病の症状はご紹介したようにとても似ておりますが、違いが幾つかあります。
違い1:行動面
適応障害では抑うつ状態の不安や焦り怒りから、突然大きな声をあげたり、怒りだしたり、泣き出したりといった気分のむらが見られるケースが多いです。アルコールへの強い依存や虚偽の発言、行き過ぎた攻撃性など、攻撃的な面が現れることもあり、これはうつ病にはあまり見られません。
違い2:ストレス状態から離れた時
適応障害とうつ病の大きな違いとして、ストレスから離れた時の抑うつ状態の持続が挙げられます。
うつ病の場合、ストレスから離れても抑うつ状態が続きますが、適応障害の場合、一般的には特定の辛いと感じる環境・状況から離れると症状が緩和されて、徐々に日々の生活に楽しみを見いだせるようになってきます。心の変化に気がつき早めの診療を
適応障害とうつ病の症状はとても似ていますが、実は適応障害からうつ病へと移行してしまうケースもあります。しばしば適応障害からうつ病に移行することもあるため、適応障害はうつ病の予備軍とも言えます。適応障害の段階で治療を始めれば、抗うつ剤などの薬物療法なしで、環境調整、カウンセリングや認知療法のみで、症状の改善を図れることも多いです。「最近人が変わったようだ」「気分が安定せず不安だ」「自分の存在意義についてネガティブに考えてしまう」など感じ方や心の変化に思い当たるのであれば、まずは勇気をもって相談にいらしてください。楽しい毎日を送れるように、問題解決の糸口を一緒に探して行きましょう。
アルファ王子 サービス管理責任者 精神保健福祉士・社会福祉士・介護福祉士 日髙 晋資