就労移行 通っても就職できない理由
就労移行支援事業所に通っていても就職できない人には、いくつかの傾向がみられます。
その傾向とは、
・安定して決められた日に通所ができず休んでしまう人
・就職先に好待遇を求めすぎる人
・自分の病気や障害の状況を客観的に把握できていない人
・社会に出た場合に自分をコントロールすることが難しい人
以下で詳しく見ていきましょう。
通所予定日に通所ができず休んでしまう人
就職すると、決まった日、決まった時間に出社し仕事を行うことが求められますが、就労移行支援事業所に安定して通うことが出来ない人にはこのように企業に決まった日に出勤し、安定した状態で働くことは難しいでしょう。
就職先に好待遇を求めすぎる人
就労移行支援事業所を利用して就職先を探す場合には障害者枠での雇用を目指すこともあります。障害者枠での雇用を希望する場合、一般採用に比べて条件が悪くなることも考えられるため、好待遇を求めすぎると応募したいと思う企業が見つからないといったケースもあります。
病気や障害の状況を客観的に把握できていない人
病気や障害の特性を客観的に把握することが出来ていないという点が就職の妨げになります。病気や障害を持っていれば、当然就職先の企業や同僚となる人達に配慮してもらいたい事柄が出てくるのですが、この配慮の内容を自分で把握していないと、もし就職することが出来ても、長期にわたり就労することが難しいといった問題が出てきます。
自分をコントロールすることが難しい人
社会に出てからは、自分の感情や体調をきちんとコントロール出来るといったことも重要になります。このような自身をマネジメントする方法も、就労移行支援事業所に通いながら身につけておきましょう。病気や障害が安定し就労移行支援所に問題なく通えるようになっても、就職先がすぐに決まるのは稀なパターンです。
中には30件以上の企業に応募しても、就職に結びつかないケースもあります。このような状況になってしまった場合、自分に自信を無くしてしまい気分が落ち込むことから、心身の調子を崩してしまい就職に対して不安感を持ってしまうこともあるでしょう。この不安感から、企業の求人へ応募することが怖くなり就職に消極的になってしまう人もいます。このような特徴がある人は、就労移行支援事業所に通っていてもなかなか就職に結びつかないといった傾向があります。
就労移行支援所に通っていても就職できないって本当?
就労移行支援事業所に通っていて自分の心身の調子が安定してきても、就職できないといった話を聞くこともあるかもしれません。それは自分の問題だけではなく、通っている就労移行支援事業所に問題がある可能性があります。
就労移行支援事業所は助成金で運営されている
就労移行支援事業所は、病気や障害のある入所者の人数に応じて国から助成金が交付されます。当然通所者が多ければ多いほど、交付される助成金の金額が大きくなります。そのため就労移行支援事業所の中には、この助成金目当てで通所者を募るばかりで支援内容の質があまり良くないところがあるのも事実です。
本来であれば通所者を募り、就労に必要な訓練を行い、就職につなげてまた新しい通所者を募るという流れが一般的です。
しかし、新しい通所者の確保が難しい就労移行支援事業所の場合には、今いる通所者を就職させられず、いたずらに2年間の期限一杯まで通所させてしまい、無為に助成金の支給を受け続けるといったケースもあります。そのような就労移行支援事業所を選ばないようにするためにはどうすれば良いのでしょうか?就職につながる就労支援事業所を見つけるには?就職につながる就労移行支援事業所を見つけるには、いくつかのポイントがあります。
1.就労移行支援事業所を見学する
就労移行支援事業所を決める際には、まずいくつかの就労支援事業所を見学することが重要です。通所者が定員の7~8割程度埋まっている就労移行支援事業所であれば、通所者の入れ替わりがあると考えて良いでしょう。逆に定員よりも通所者が極端に少ない場合、(開所間もないなど、特段の理由がない限りにおいては)その就労移行支援事業所に人気がないか、新たな通所者を集める能力がない就労移行支援事業所であることが多いので、避けたほうが無難です。また、定員一杯の通所者がいてすぐには通所が開始できない就労移行支援事業所は、人気が高い証拠なので、定員に空きができて通所できるようになるまで少し待ってみるのも良いかもしれません。
2.安定してから就職訓練や支援がない場合は要注意
通所し始めて自分の病気や障害の症状が安定してきたにも関わらず、就職に結びつくような訓練や支援を行ってくれない就労移行支援事業所は要注意です。病気や障害の症状が安定してきたにも関わらず、レクリエーションのような活動ばかりさせられたり、支援員に今後の実習の内容や就職に向けた相談を行っても、あまり的確な返事をもらえなかったりといったことがある場合には、その就労移行支援事業所に通い続けることで就職できる可能性は低いかもしれません。
3.ほかの通所者の就職活動の様子にも注目
他の通所者の就職活動に向けた取り組みにも目を配ってみる必要があります。数か月就労移行支援事業所に通所しても、同じ通所者の中に企業へ就労実習や体験就労に行かれたり、就職が決まって退所する人がいない場合は、その事業所は「就職させられない」就労移行支援事業所である可能性があります。このような就労移行支援事業所に通所していては、本人の病気や障害の症状が安定したとしても就職することは困難です。このように、助成金目当てに通所者を就職させない就労移行支援事業所もあるため、通所してから就労移行支援事業所の内情に違和感を感じたら、別の就労移行支援事業所に変更することも視野に入れましょう。
就労移行支援事業所に通所できるのは、現在の法律では生涯に渡って原則2年と決められています。この2年を無駄にすることが無いように、就労移行支援の通所先選びは慎重に行い、通所し出してからその就労移行支援事業所の支援内容に疑問や違和感がある場合には、通所先の変更も視野に入れていきましょう。
就職できるようにするにはどうすれば良い?
自分自身や就労移行支援事業所自体に問題がない場合には、その就労移行支援事業所に通いながら就職できる可能性が高くなります。
そのためには、自分はどのような行動を取ればよいのでしょうか?
一番大切なのは、自分自身が就職活動に対して積極的に動くことです。
自分の病気や障害の特性にどのような配慮が必要かをしっかりと把握したうえで、その条件に合った就職先を探すようにしましょう。また、病気や障害に対する配慮以外にも、自分に合った仕事を探すことも大切です。このような条件を満たす就職先を探すために、就労移行支援事業所の支援員に積極的に相談することが大切です。
就労移行支援事業所の支援員に相談することで、履歴書を初めとした書類選考用の書類作成の添削をしてもらったり、面接の指導を行ってもらうことができます。また、自分にどのような仕事や働き方が向いているかといった点に関しても、客観的なアドバイスをもらうこともできます。このように自分の働き方に対して具体的なイメージを持ち、積極的に就職に向けて動くことで、就職に結びつきやすくなります。
まとめ
就労移行支援事業所に通所していてもなかなか就職が決まらない人には共通した傾向があること、就労移行支援事業所自体に問題があるケースもあること、就職に向けてどのように動くべきかについて解説してきました。就労移行支援事業所に通所していても、それだけでは必ずしも就職に結びつくわけではないことがお分かりいただけたと思います。
自分の病気や障害の特性を客観的に把握することが一番重要ですが、それが出来ているにも関わらずなかなか就職に結びつかない場合には、就労移行支援事業所だけではなく障害者雇用専門の転職エージェントの利用も視野に入れてみても良いかと思います。これから、就労移行支援事業所の利用を検討されている方がいらっしゃいましたら、是非一度就労移行支援事業所アルファ王子にご連絡やご見学に来てみませんか。気軽にご連絡をいただければと思います。
就労移行支援事業所アルファ王子 精神保健福祉士・社会福祉士・介護福祉士 サービス管理責任者 日髙 晋資