「アンガーマネジメントとは」~ ストレスに対するセルフケア ~
怒りの感情の影響とは?
怒りという感情は、時として我を忘れてしまう程、冷静でいられない程の強い感情を持ってしまう事があります。
また、怒り感情にまかせて、「売り言葉に、買い言葉」などの応酬をしてしまう事で、後で“後悔”をしてしまう結果にも繋がりかねません。そして、怒りを向けられた相手は、どんなに納得のいくような内容を伝えられたとしても、「相手の怒りに対して、自分も怒りや不快な感情を頂きやすくなり、またネガティブ感情も強く持ちやすくなってしまうのです。
ですが、感情の表出や相手との共有自体は悪い事ではありません。怒りという感情のメッセージを相手へ伝えることが大切な時も多くあります。
このように、怒りを出すことは悪い事ではありませんが、もし怒り感情の場でコントロールしたい場面がある方や、怒り感情に伴うご自身の行動で見直してみたいと思われる方はアンガーマネジメントを身に付けることはとても良いと思います。ここではアンガーマネジメントについて解説をしていきます。
アンガーマネジメントとは
アンガーマネジメントとは、怒りを上手に対処することです。アンガーマネジメントでは、怒りの衝動・思考・行動のそれぞれに対処するテクニックがあります。
①「怒りを感じた時」、短時間だけ息を置いてみる
怒りの衝動では、「怒りを感じたら6秒間何もしない」というのが鉄則です。怒りのアドレナリンが強く分泌されるのが6秒間だから、その間は相手に何も言わない・しないのようにします。頭の中で2の倍数を数えるなどの単純な作業を行ったり、その場を離れるなどして、6秒すぎるのをとにかく待ちましょう。
②自分の思った通りに行かなかったことが「怒りのきっかけ」か考えてみる
怒りの思考では、「自分が思う『~べき』の基準を見直す」というのがポイントです。後輩は先輩の命令に従うべき、何があっても待ち合わせには遅刻しないなどのルールは人によって異なります。「~べき」は拘ったほうがよいものか、今一度見直してみましょう。もし「~べき」に拘ったほうが良いものなら、最小限せめてどうしてほしいかを相手に具体的に伝えてみてください。
③(可能であれば)自分が怒りの現況を変えられるのか考える、(そうでなければ)別の事に集中してみる
怒りの行動では、「自分でできるものだけを変える」のが重要です。怒りを感じる出来事には、自分が何かすることによって変えられるor変えられない、重要であるor重要ではないの4つに分けられます。「変えられる、かつ重要である」場合にのみ、いつまでに・どれくらい・どうしてほしいのかを相手に伝えましょう。「変えられない、かつ重要である」出来事に対しては、自分ではどうしようもないため他にできることに集中しましょう。
まとめ
怒りという感情は、相手へのメッセージとして重要な役割である時もあるのですが、そうでない時もあります。特に、自分にとって伝えたいことが伝わらなくなってしまったり、相手に負の感情を与えて余計にコミュニケーション関係が破綻してしまう事があります。また、怒りに任せて行動をすると、望んでいない結論や決断を行ってしまい、犠牲にすることや後悔することも実は多いのかもしれません。
アンガーマネジメントは一人で取り組むことは困難だと思います。
アンガーマネジメントといっても、ご自身だけで取り組み対策されることは困難なことが多いと思いますし、自分で感情のセルフコントロールがしきれるのであれば、悩まれる方は非常に少ないのではないかと思います(実際には悩まれている方が多いと思います)。
実際にはそうではないと思いますので、怒りや感情のコントロールに関しては、周囲の人など他者とともに取り組んでみることがお勧めです。出来た時も上手くいかなかったときも、共有する相手がいることで安心感につながり、怒りの感情に対してより冷静に向き合いやすくなると思います。怒りのコントロールを出来ることから実践をしていきましょう。就労移行支援事業所アルファ王子では訓練の一環としてアンガーマネジメントを取り入れております。もし参加してみたい等ありましたらお気軽にお問合せ下さい。
就労移行支援事業所アルファ王子 精神保健福祉士・社会福祉士・介護福祉士 サービス管理責任者 日髙 晋資