「作る?」「創る?」得意・不得意の見極め
アルファ王子では個別サポートを主体としていますので、利用者の皆さんはそれぞれ様々な訓練に取り組まれています。利用者さんの中には絵画や工芸、手芸などが好きな方が多くいらっしゃいます。訓練の合間にペーパークラフトや塗り絵で気分転換をされている姿も見かけます。
この様な手作業(ペーパークラフト、塗り絵、折り紙など)を非常に丁寧に作成される方の仕上がりを見せて頂くと、その方の性格まで滲み出る丁寧さに感動すら覚えるくらいです。事業所に飾らせていただくこともありますし、持ち帰ってお部屋に飾っていただくために梱包してあげた事もあります。
ですが、就職・就労という観点から考えた場合、一つ気を付けなければならない事があります。
「クリエイトとメイクは似て非なるもの」
「創る」と「作る」は同じ「つくる」という読み方ですが、意味が異なります。ペーパークラフト、塗り絵、折り紙など、この様な手作業は簡易的なマニュアルと見本があり、「誰がおこなっても同様の作品になる」ことを前提としたものになります。「作り方のマニュアルを正確に読み解き、完成まで丁寧に取り組めるか」がポイントになります。つまり、創作(自分の感性で全くオリジナルなものを作り上げる)とは異なります。
クリエイト(創る):ゼロから何かを創り上げること。
メイク(作る):すでに存在しているものや形が分かっているものを作ること。
ペーパークラフトや塗り絵、工作などが得意だからと言って、創作的な作業が得意だとは限りません。しかし、マニュアルを読み解き、最後まで丁寧に作り上げる集中力や持続性がある。そのような細かい視点でアセスメント。支援員として私達はしっかりと見極めなければ、間違った訓練、そして間違った方向性の就職に導きかねないのです。利用者さんの得意・不得意を見極めて適切な訓練を提供し、最適な就労をサポートいたします。
アルファ王子 施設長 花輪