障害者雇用の現状と就労移行支援の役割
~「働き続ける」ために必要な専門的サポート~

障害者雇用は広がっている?現状を解説
就労移行支援事業所にて利用者さんのサポートを行い、就職活動や就職後の職場定着支援に携わっていると、数年前に比べて「障害者雇用」という言葉が一般的になっていることを実感します。厚生労働省の調査によれば、障害者の雇用者数は毎年増加しており、特に精神障害や発達障害のある方の雇用が伸びているのが特徴です。
背景には、障害者雇用促進法による法定雇用率の引き上げや、企業のダイバーシティ推進があります。
しかし、「就職できる人が増えた=安心」というわけではありません。実際には、次のような課題が残されています。
・数か月~数年以内に退職してしまう人が多い
・障害特性に合わない仕事に就いてしまうことがある
・企業側の理解や配慮が十分でない場合がある
つまり「採用」と「長く働き続けること」の間には大きなギャップがあるのもまた現状です。
障害者雇用の課題とは?
障害者雇用の現状を整理すると、特に次の3つの課題が目立ちます。
1. 定着率の低さ
障害のある方の就職は増えていますが、3年以内の離職率は依然として高い傾向にあります。
2. 企業側の理解不足
「法定雇用率を達成するための採用」にとどまり、配置やサポート体制が整っていないケースがあります。その結果、職場で孤立してしまう方もいます。
3. 本人側の準備不足
生活リズムや体調管理、コミュニケーションスキルが整わないまま就職してしまい、ストレスや不安から短期離職につながることも少なくありません。
就労移行支援の専門的な役割
こうした課題を解決するためにあるのが 就労移行支援 です。 私たちは「就職すること」だけでなく、「働き続けること」つまり就労を目指して支援を行います。ですから「就職移行」ではなく「就労移行」なのです。その具体的な役割を見ていきます。
アセスメント(得意・不得意の把握)
・本人の強みや課題を客観的に整理
・家族や本人も気づかなかった特性を発見できることもあります
就労準備支援(働くための基礎づくり)
・生活リズムや体調管理の安定化
・PCスキルやビジネスマナーの習得
・コミュニケーション練習
企業実習(ミスマッチを防ぐ)
・実際の職場で働いてみることで「自分に合う仕事」を確認
・企業も本人の特性を理解できるため、双方の安心につながる
定着支援(就職後もサポート)
・就職後も定期的に面談や職場訪問を行い、離職を防ぐ支援を実施
・困りごとや不安が早めに解決できるので、安心して働き続けられる
利用者・ご家族に伝えたいこと
就職は「ゴール」ではなく「スタート」です。
「働きたいけれど不安がある」「家族としてどう支えたらいいのかわからない」こうした悩みを持つ方こそ、就労移行支援を活用する価値があります。
専門的な支援を受けることで、本人も家族も安心して「働く一歩」を踏み出すことができます。
働き続けるためには専門的な支援が必要
・障害者雇用は増えているが、課題も多い
・定着率の低さや企業・本人の準備不足が大きな壁になっている
・就労移行支援は「就職」と「定着」を支える専門機関である
「働きたい」という気持ちを叶えるために、そして「安心して働き続ける」ために、私たちは専門的にサポートします。
アルファでは見学や相談など、いつでも受け付けています。お気軽にご連絡ください。
施設長 花輪
アルファ王子 花輪が執筆に参加させて頂いています「続 歌舞伎町で再犯防止について考えてみた」が書店などで販売されています。新宿を中心に、繁華街などでのボランティア活動その他を通じて、この執筆の機会を頂きました。ぜひお手に取って頂けたらと思います。
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