前回のブログでは、共感疲労が意外と身近な問題であることをご紹介し、共感疲労になりやすいタイプ、起こりやすい状況についてお話しました。
後編となる今回のラインナップはこちら!
共感疲労の症状
では、具体的にどのような症状があるのか見ていきましょう。共感疲労は心と体の両面に症状が現れます。
・心の症状
気分の落ち込み、無気力感
イライラ、怒りっぽくなる
不安感、孤独感
集中力、注意力の低下
他者への共感力の低下 等
・体の症状
疲労感、倦怠感
睡眠障害
食欲不振、または過食
頭痛、めまい 等
状況によっては何日間で落ち着く場合もあるでしょうが、蓄積されたものであれば長引いてしまうでしょう。
ここからは、共感疲労を防げるように日々できる対策を紹介していきます。
共感疲労への対策
共感疲労を防ぐためには…
・自分の感情に気付く
イライラやモヤモヤを感じ始めたら、まずはその感情に気づくことが大切です。自分の心の状態を把握することで、疲労のサインに早期に対処できるようになります。紙に書き出すことで、頭の中が整理され、感情の波に飲み込まれる前に一歩引いて見つめ直すことができるでしょう。
・休息とリフレッシュ
十分に寝る&息抜きができたらいいのですが、
「リフレッシュ方法が見当たらない」「眠れない」と利用者さんからよく相談をもらいます。
試しに、いつもより10分早く起きて、朝日を浴びながら近所を歩いてみてください。セロトニンの分泌を促し、心身のリフレッシュに繋がりますよ。そして、朝日の写真を撮って頑張った記録を残し、モチベーションアップに繋げましょう。
・誰かと交流する
信頼できる人に話を聞いてもらったり、共感できる仲間と交流したりしましょう。アルファには、土曜イベントに参加する、昼休みのゲームに参加するなど肩に力を入れずに交流を持つ場があるので、誰かに元気をもらいたい!というときはオススメです。
誰かに話を聞いてもらうことは、一人で抱え込んでいる感情を外に出し、 心の荷物を軽くする効果があります。また、信頼できる人に話すことで、新たなアイデアやヒントが見つかるでしょう。
アルファのイベントや昼休みの交流は、同じような悩みを持つ仲間と繋がる良い機会です。上手く話せなくても、仲間と打ちとけることは心の安定に繋がりますよ。
・情報との適切な距離感
SNSやニュースなど、情報との距離感を適切に保ちましょう。災害や事故、有名人の逝去など、ショッキングなニュースを見て影響を受けた場合は、テレビやスマートフォンの電源を切り、まずは数時間〜1日距離を取るようにしましょう。また、YouTubeやSNSを見る際は、登録チャンネルを絞るなど、自分にとって必要な情報だけを選び取る工夫をしてみましょう。
今回は「共感疲労」についてお話をいたしました。
共感できることは素晴らしいことですが、自分自身を犠牲にしてしまうと、共感する力を維持できなくなってしまいます。
難しいことではありますが、何事も「適度に」いきたいものです。
サービス管理責任者
酒井
皆さん、いかがお過ごしでしょうか。
いつも面談室から笑い声が漏れてしまうサービス管理責任者の酒井です。
さて、突然ですが…
「共感疲労」という言葉を聞いたことありますか?
冒頭の「ニュースを見ていると疲れてしまう」はある利用者さんから体調報告の時に聞いた一言です。これは、「共感疲労」の一つだと言えます。
今回は、皆さんに身近な「共感疲労」について、
をお話していきたいと思います。
共感疲労とは…
共感疲労とは
「他人の苦しみや悲しみに共感しすぎることによって、自分自身の心や体が疲弊してしまう状態」のことです。
では、どのような方がなりやすいのでしょうか。
なりやすいタイプ
・共感力の高い方
感受性が強く、他人の感情を深く理解できる方はなりやすいと言えます。親身になって話を聞くことが、他人の痛みを自分ごとのように受け取ってしまうことにつながるのでしょう。
・責任感の強い方、完璧主義の方
困っている人を助けたいという気持ちが強いあまり、自分のキャパシティを超えてしまう原因となります。また、自分の役割や使命への強いこだわりが、自分より他人を優先させることになり、より負担を感じやすくなります。
・過去に辛い出来事があった方
同じような出来事にあった方に対して、深く共感することで自分の辛い出来事も掘り起こされてしまうため、負担を感じやすくなります。
・ストレスをため込みやすい方
ストレスを発散する方法がない、爆発するまで溜め込んでしまうなど、ストレスをため込みやすい方も共感疲労になりやすいといえるでしょう。
どうでしょう。
当てはまりましたか?このタイプに当てはまるからと言って、必ずしも共感疲労だというわけではありません。
なぜなら、性格+状況によって引き起こされるからです。
では、どのような状況で起こりやすいのでしょうか?
起こりやすい状況
・日常でテレビやスマホを見る機会が多い方
当てはまる方は手を挙げてください。
「はーい!」あちこちから聞こえてきますね。私もその1人です。当然SNSやニュースでは嬉しいニュースばかりではありません。苦しみや悲しみにに触れる機会が多くなるのは当然ですね。
・医療・介護・福祉の現場で働いている方
患者さんや利用者さんの苦しみや悲しみなど、様々な感情に日常的に接するため、共感疲労になる方が多いです。相談員やカウンセラーなど、人の話を聞くことをお仕事にされている方も同様です。
・身近な人の介護や介助をしている方
肉体的・精神的負担に加え、共感による疲労が生じやすくなります。家族やパートナーなど、関係が近ければ近いほど、敏感に痛みを感じ取れるため、苦しみや辛さなど受け取りやすい状況になるでしょう。
いかがでしょうか。
さて、ここまで読んで「もしかして自分も…?」と感じた方もいるのではないでしょうか。
次回の後編では、共感疲労が具体的にどんなサインとして現れるのか、そして、どうすればその疲れから抜け出せるのか、具体的な対策をお伝えしていきます。ぜひ、続けてチェックしてください!
サービス管理責任者
酒井