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精神保健福祉士が解説 認知行動療法とは?

アルファ王子 サービス管理責任者の日髙です。

本日は、認知行動療法について解説をさせて頂きます。

物事の捉え方のことを「認知」といいます。

認知は同じ出来事があっても人によって受け止め方が変わり、この認知に偏りがあることで何でもないことでもストレスを大きく受けることになります。そして、認知は行動にも影響を与えます。

例えばコップの水が半分ある状態で「まだ半分もある」と感じる方と、「もう半分しかない」と感じる方でストレスの感じ方は違ってきます。

認知行動療法はその認知と行動に働きかけて、思考のバランスを整えストレスを減らしていく精神療法のことです。うつ病・統合失調症・パニック障害・ADHDなどのさまざまな精神的な疾患・障害の治療に用いられています。

認知療法とは?

認知療法とは偏った考え方を変え、その時、その時に柔軟な考え方が出来るようにする療法です。うつ病などの場合は物事を悲観的・否定的に捉えることが多くあります。そういった認知の癖に気付き、ネガティブな思考からポジティブな思考へと変換しストレスを減らしていきます。

カウンセリングや面談をし、紙に書き出すことで自分の考え方の偏りを冷静に振り返り、適応的な思考に変えていく「コラム法」などの方法があります。

行動療法とは?

行動療法とは行動上の問題に注目し、どういった行動が適切かを考え実行することで、問題を解消する療法です。

例えばパニック障害の方が「パニックになるかもしれない」という恐怖で電車に乗れない場合は、「まず駅に行き、各駅停車に乗る」など徐々に慣れさせていくことで最終的に「電車に乗っても大丈夫」と実感できるようにする「暴露法」などの方法があります。

 

認知療法と行動療法は別々に発展してきましたが、相互に関係していることが分かってきたため、1980年代以降は、合わせて「認知行動療法」と呼ばれることが多いです。

認知行動療法のやり方・方法は?

認知行動療法は医師やカウンセラーなどと、一回30分以上の面談を16~20回ほど行うことが多く、以下のような流れで進めていきます。期間は一般的に約3ヶ月程度かかるといわれています。

  • 自身のストレスに気付いて、問題を整理する
  • その問題がどのような状況で起き、どのような感情を引きおこしているか整理する
  • 考え方が自身の感情や行動にどのように影響しているのか探っていく
  • 考え方のくせに気付く。
  • 考え方と捉え方を現実にそった見方に変える練習を行う
  • 問題を解決する方法や人間関係を改善する方法の練習を行う

実際には面談だけでなく、自身で取り組む「ホームワーク」なども平行しながら進めていきます。

※「ホームワーク」とは宿題という形で、面談で話した内容を元に、次回の面談までに実践する課題のことです。

参考 厚生労働省「認知行動療法」

認知行動療法の効果とは?

認知行動療法は認知の偏りを整えていくことで、今まで感じていたマイナスの感情やストレスを軽減する効果があります。また方法を身につけることで、治療を行っている時だけでなく日常生活でも些細なことに左右されなくなるという効果もあります。

認知行動療法は面談を通して行っていきます。

人によって認知は違ってきますので、まずは医師やカウンセラーとともに問題を整理し、目標を立てていきます。そこからその方に合った各種療法を行っていきます。面談は一回30分~1時間程度で、その中で一緒に療法を行い、ホームワークといって家でできる宿題を次の面談までに進めておくというサイクルが一般的です。

認知行動療法は時間をかけて行います

認知行動療法の期間は、その方の状態や実施機関の方針などで異なってきますが、面談でいうと16~20回を3ヶ月以上かけて行われることが多くあります。認知行動療法は一度行って終わりではなく、認知を変えていくためには時間をかけて繰り返し行っていくことが必要となるためです。日常生活の中での練習も大変ためになってきます。

認知行動療法の種類は?

コラム法
コラム法はワークシートに出来事と、その時の感情、適応的な思考を書いていくことで、自分の認知の癖に気付き、バランスを整えていく認知療法です。
3コラム、5コラム、7コラムなど種類があり、カラム法とも呼ばれています。

暴露療法(エクスポージャー法)
不安を感じている事に対して、段階をつくり徐々に慣れていくことを目指す行動療法の事を暴露療法といいます。
例えばパニック障害のある方が、満員電車に乗ることに強い不安がある場合は「駅に行く」「各駅停車に乗る」など不安が小さいものから順番に行うことで、無理なく慣れていくという方法を取ります。

セルフモニタリング法
手帳やワークシートに自分の事を記録していく行動療法です。
記入するのは就寝・起床時間、行動したこと、体調や気分を点数化したものなどで、それを一定期間(1週間・1か月など)続けて振り返ることで、客観的に自分の体調や気分の変化をの傾向を知ることができます。
自己理解ができることで対策が打てるようになり、体調・精神の安定につながっていきます。手帳やアプリなどでもできるため、比較的個人でも取り組みやすいものです。

リラクセーション法
人はストレスを受けると、心身が緊張し、緊張が長く続くことで自律神経の不調など悪影響が出てきます。
そういった緊張をゆるめてストレスの予防・緩和を行うのがリラクセーション法です。一度体に緊張を作ってからゆるめる「漸進的筋弛緩法」や、落ち着ける姿勢で公式に沿ってリラックスをする「自律訓練法」などがあります。

他にも様々な種類があり、状況によって活用していきます。

まとめ

認知行動療法は自分の認知の癖に気付き、バランスを整えていくことで、ストレスを軽減させる療法です。うつ病などの精神疾患のある方にも、ストレスをためがちな方にもかなりの効果が期待できます。自分の考え方自体に良し悪しはありませんので、まずは自分の気持ちを受け止めて、マイナスな思考に陥らないようにしていき、現実とのバランスを取るために活用することを検討してみると良いと思います。

就労移行支援事業所アルファ王子でも集団認知行動療法を行っています。一人で何事も抱え込まず、まずは誰かに相談してみてはどうでしょう。一歩踏み出すことで劇的に色々なことが変わってくると思います。いつでもお気軽にお問合せ下さい。

アルファ王子 サービス管理責任者
精神保健福祉士・社会福祉士・介護福祉士
日髙 晋資

 

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