人間関係リセット症候群とは?
5つの行動や特徴・改善方法について解説
「今までの人間関係をすべてリセットしたい」「自分のことを誰も知らない新しい世界で生活してみたい」「衝動的に人間関係を断ち切ってしまうくせを改善したい」
と、思っていませんか?
もしも、このような考えを持っているのであれば、あなたは「人間関係リセット症候群」かもしれません。
とはいえ、「人間関係リセット症候群ってなに?」と疑問に感じる方もいらっしゃるでしょう。
・人間関係リセット症候群の意味
・人間関係リセット症候群の人がやりがちな行動
・人間関係リセット症候群になりやすい人の特徴
・人間関係リセット症候群になってしまう原因
・人間関係リセット症候群を改善する方法
などについて、くわしく解説していきます。
人間関係リセット症候群は「心理状態を表した造語」のひとつです。
人間関係リセット症候群というと、うつ病のような精神病であるイメージを持つ方もいるかもしれません。
しかし、人間関係リセット症候群は治療が必要な病気ではなく、人間が陥りがちな心理状態を表した造語のひとつです。そのため、人間関係リセット症候群の特徴のある人が病気であるわけではありません。現代では、LINEやSNSなどインターネット上で24時間コミュニケーションをとることが可能になっています。連絡をとりたいときにとれることは便利で素敵なことですが、その反面常に誰かとつながっていることにストレスや負担を感じてしまう人もいます。最近は、そうした常に誰かとつながっている状態に疲れて、ある日突然連絡先を変更したり引っ越したりといった行動をとってしまう人もいるのです。
このような人のことを指す言葉として、「人間関係リセット症候群」という言葉が使われるようになってきました。
人間関係リセット症候群の人がやりがちな5つの行動
人間関係リセット症候群の意味がわかったところで、人間関係リセット症候群の人がやりがちな5つの行動についてもみていきたいと思います。自分自身や、周りの人にもあてはまる項目がないか確認しながら読み進めてください。
1.SNSをすべて削除する
人間関係リセット症候群に陥った人のよくある行動のひとつに、前触れもなくSNSをすべて削除することが挙げられます。
仲のいい友達や知り合いのSNSが急になくなったら、誰だって心配になりますよね。
予告もなくいきなりSNSをすべて削除してしまう心理には、ネガティブな出来事があってすべてが嫌になった周りの人から心配されたい、単純に誰かに嫌なことをいわれたなどが考えられます。
たまにアカウントをリセットしたくなるのは誰にでもあてはまることですが、何度も削除しては新規アカウントを開設して…を繰り返している人は、人間関係リセット症候群である可能性が高いでしょう。
2.LINEでの連絡を断ち切る
私たちのコミュニケーションツールとして欠かせないLINE。今や、使っていない人はほとんどいないのではないでしょうか。人間関係リセット症候群の人はLINEでも、今までつながっていた人をいきなりブロックしたり削除したりと、連絡を突然断ち切る行動を起こしてしまいがち。削除した本人は平気でも、いきなり連絡がとれなくなった相手には迷惑や不安をかけてしまうこともあります。場合によっては、相手に対して「縁を切られた」と傷つけてしまうこともあるでしょう。
3.繰り返し転職する
会社は多くの社会人にとって、人間関係の中心となっている場所ですよね。
人間関係リセット症候群の傾向がある人は、繰り返し転職をすることで今の人間関係を断ち切ろうとしがちです。また、今まで一緒に働いてきた同僚や先輩に対しても、新しい連絡先などを教えないなどの行動をとってしまう傾向があります。
仮に連絡先を教えても、連絡を返さないなどの信頼を失いかねない行動をとるケースも考えられます。
4.頻繁に引っ越しをする
人間関係リセット症候群の人のなかには、とにかく現状を変えたいと思い、自分を知っている人がいない新天地へと引っ越す人もいます。
知人がまったくいない環境に身をおくことで、人間関係をリセットしたいと考えているのでしょう。
また、人によっては縁を切りたい人が近くに住んでいることや、自宅の住所を知られていることが原因で引越しを考える人も。
このような場合は、新天地を求めているのではなく、対象の人との関係を断ち切りたいと考えている可能性が高いといえます。
いずれにしても、今の環境を変えたいという心理から、人間関係をリセットしようと考えているのでしょう。
5.音信不通になる
知人に対して「LINEや電話は通じてはいるけど、いつまで経っても既読がつかない、つながらない」といった経験がありませんか?
突然音信不通になってしまうのも、人間関係リセット症候群の人が起こしがちな行動のひとつです。本人は人間関係に疲れてしまっているため、誰からの連絡も返したくないと思っているのでしょう。
今は誰とも連絡をとりたくないと思っているからこそ、友達や親戚などの身近な人であろうとも、突然音信不通になってしまうことがあるのです。
人間関係リセット症候群になりやすい人の特徴7選
人間関係リセット症候群の人は、共通して突然今の人間関係をリセットさせるための行動をおこす傾向があることがわかりました。
では、どういった人が人間関係リセット症候群になりやすいのでしょうか?
ここからは、人間関係リセット症候群になりやすい人の7つの特徴をくわしくご紹介していきます。
・相談できる相手があまりいない
・ひとり行動が好き
・ネガティブ思考
・ストレスを抱えやすい
・完璧主義
・生活習慣が乱れている
・めんどくさがり
1.相談できる相手があまりいない
「人に相談するのが苦手」「相談できる相手がいない」といった人は、人間関係リセット症候群になりやすいでしょう。
人に相談できない心理には、人に嫌われたくない、傷つきたくないといった心理があります。また、「以前親しい人に相談して裏切られた」など、何かしらのネガティブな経験から人間関係リセット症候群になってしまう人もいると思います。
2.ひとり行動が好き
ひとり行動が好きな人も、人間関係リセット症候群になりやすいタイプです。
単独行動を好む人の多くは、マイペースに行動することを好む傾向があります。
そのため、他人と関わる時間が増えれば増えるほど、ひとりでいる時間を求めるようになってしまうのでしょう。このような人は人間関係を面倒に思いやすいことから、人間関係リセット症候群にありがちな行動を突然起こしてしまうのかもしれません。
3.ネガティブ思考
常にネガティブ思考になりがちな人も、人間関係リセット症候群の症状が出やすいです。
ネガティブ思考に陥ってしまうと、どうしても自分への自信がなくなってしまうもの。
自分に自信がなくなることで、さまざまなことに対して不満をためやすくなってしまいます。不満に対してストレスを感じてしまい、自己防衛のために他人との連絡を断ち切ってしまう人もいるでしょう。
4.ストレスを抱えやすい
ストレスを抱えやすい性格の人も、人間関係リセット症候群になりやすいです。
「本当は行きたくないのに、誘いを断れない」といった、口下手な人も突然音信不通という極端な行動をとってしまう傾向があります。また、
・優柔不断
・繊細
・優しすぎる
・人の目が気になる
・コミュニケーションが苦手
このようなストレスをためやすい性格の人も、極度なストレスから逃れるために人間関係リセット症候群となりやすいでしょう。
5.完璧主義
「完璧じゃないと納得がいかない」「他人にも完璧でいてほしい」といったような完璧主義な性格の人も、人間関係リセット症候群になりやすいです。
完璧主義な性格の人は、他人に対しても理想を求める傾向があります。
たとえば、恋人に対しても理想通りの関係性を求めることがあるでしょう。
しかし、実際にはそううまくいくものではありませんよね。
理想と現実のギャップに耐えられずに、他人との関係を断ち切りたいと考えてしまうことがあるのでしょう。
6.生活習慣が乱れている
生活習慣が乱れている人も、人間関係リセット症候群になりやすい傾向があります。
生活習慣とは私たちが思っているよりも、心身に大きな影響を与えるもの。
たとえば寝不足が続くと疲れやすくなって、日中にイライラしてしまうことが増えた経験がある人も多いのではありませんか?
このように、不規則な生活が続き疲れがたまると、普段よりもネガティブ思考になりより悪循環に陥りやすくなります。
気分が落ち込んだり、何もかも嫌になってしまったときこそ生活習慣の見直しをおこなってみましょう。
7.めんどくさがり
「人付き合いがめんどくさい」「誰かと毎日連絡をとるのがめんどくさい」といった、めんどくさがりの人も、人間関係リセット症候群になりやすいといえます。
めんどくさがりな性格の人にとっては、プライベートな時間まで誰かとつながっている状況にストレスを感じてしまうことが多いもの。
他人に無理して気を遣って疲れてしまうくらいなら、多少孤立した方がいいと考える人も少なくないでしょう。
めんどくさがりな人にとっては、急に連絡を途切れさせたり音信不通になることもそれほど大きな問題ではないと考えているのかもしれません。
3つ以上項目が当てはまる人は、組織に入ってチームで成果をあげる作業にストレスを感じる方が多い傾向にあります。
就労移行支援事業所アルファ王子 サービス管理責任者 精神保健福祉士・社会福祉士・介護福祉士 日髙 晋資