「そのノートには本1000冊分の価値がある」後編です。
前半では利用者さんから見せて頂いたノートのお話をしました。
「感性」とはどの様に身に付けるものなのか
当然、「感性」というものは人から教わったり、机に座って勉強して身に付くものでもなければ、ある年齢に達して自然に身に付くものでもありません。
例えば、あなたが一生懸命誰かのためにお手伝いをしたとします。その人からお礼を言われるどころか「その事にすら気付いてもらえない」としたら、あなたはどの様な気持ちになるでしょうか?
ついでにもうひとつ、あなたが「面白い」と思って人にすすめた本や映画などに対して「面白かった」とか「つまらなかった」という感想しかもらえなかったらどうでしょう?
「私は一年間に本を1000冊読みました」
それはただ単に知識をあなたの身体に詰め込んだに過ぎません。それよりも今あなたが目にしたもの、聞いたもの、知ったことに対して「何に気付いたか」「どう感じたか」それを振り返ることです。そして誰かにそれをアウトプットするのです。それが出来ないのなら、走り書きでもよいので書き出すのです。最初は一言でもいいです。上手い表現が見つからなければありきたりの言葉でもよいです。それを習慣的に行うことで感性が身に付きます。感性を磨くには1000冊の本を読みっぱなしにするよりも、1冊の本を読んで「自分はどう思ったのか」「どう感じたのか」をアウトプットすることです。「本文以上にあとがきの方が印象に残った」なんて、本の中身以外のことに触れても良いでしょう。大切なのは「どう考えたか」という、人の意見や感想に惑わされないあなただけの「澄んだ気持ち」なのです。
「あなたは一日に何回、気付きますか」
会社では一日の業務の終わりに「終礼」や「反省会」を行っている会社も多いでしょう。こういったものは習慣化され過ぎていて、それ自体を行うことが目的になってしまっているケースも多いかも知れません。ですが、これは大変貴重な場です。「特にありません」や「良かったです」「順調でした」という単純な「感想」では感性は磨かれません。「こんなことに気付いた」「自分はこうすれば良かった」という思考が伴っていれば、あなたの感性は磨かれ、やがてそれはあなたの(発見する力、洞察する力、俯瞰する力、気遣う心、本質を見抜く力)を豊かにしてくれるはずです。あなた自身が考えて発信した言葉は、必ずあなたの行動に結びつきます。
あなたのこれからの行動、未来を変えていくのに、なにも大掛かりなことをやる必要はありません。当然、1000冊の本を読む必要もありません。今日一日、何かひとつでもいいです。どんな些細なことでもいいです。あなた自身が「何に気付いたのか」「どう思ったのか」を誰かに伝えてみて下さい。それが出来なければ文字にしてみて下さい。
いかがでしたか?
利用者さんから見せてもらった手書きのノート、たとえ1000冊の本を読んだとしてもそれだけでは得られない「感性」がそこには詰まっていました。それらはやがて(発見する力、洞察する力、俯瞰する力、気遣う心、本質を見抜く力)となり、豊かな行動となることでしょう。「伝え方」や「表現力」というのはその後に必要となるテクニックに過ぎません。
今日は今後あなたの行動を変えていく「感性」について書きました。
この記事があなたにとって「タンスの角に足の小指をぶつけるくらい何のメリットもない記事」でないことを祈ります。