職場によくあるシチュエーションクイズ
施設長の花輪です。以前私が行ったビジネス講座をご紹介します。早速ですが質問です。
「職場であなたの使用しているパソコンが電源を入れても作動しなくなってしまいました。今日は上司がお休みです。あなたはどうしますか?」
以下の4択からあなたの考えに最も近いものを選んでください。また、「なぜそう思ったのか?」を説明できるようにしてください。
① 自分で勝手に修理に出すわけにいかないので上司が出社するまで待つ。
② メーカーのカスタマーセンターに連絡して症状を伝え、有料での修理となる場合は上司の決裁を待って判断する。(今日は代わりのパソコンを使う)
③ 1日仕事が出来なくなるので、例え有料でも上司の判断を待たずに修理に出す。
④ 上司に電話して、有料の修理になった場合の許可だけはもらっておく。
さて、いかがでしたか?
結論から話しますと、答えはありません。もちろん望ましい答えはあります。ですが、この訓練の主体は出した結果を評価するものではなく「どのようにその結果を導きだしたか」思考力を養う訓練です。
職場に於いては、はっきり言って「こうしておけば大丈夫」ということはありません。
環境や人間関係は常に変化していくものです。厳しい言い方ですが、「今日通用したことが明日には通用しない」「今日は大丈夫だったことが明日は不安定だったり不確定だったり」ということが多々あります。だからこそ、長く同じ職場で働き続けるというのは簡単な事ではありません。
ちなみに、上の質問で言えば各選択肢については以下のようなことが言えます。
① 「待つ」のではなく今、自分に出来る事はしておくことが大事
② 上司が出社したら、後は決裁をもらうだけなのでスムーズに事が運ぶ。決裁をもらう以外のことは自分でできる範疇(はんちゅう)。メーカーの見解も踏まえて報告できる。
③ 経費がかかるものは自分で判断をせず相談
④ 「緊急案件」ではないので休みに連絡は望ましくない
この中で一番望ましいのは②ですが、それぞれの職場環境や人間関係に於いては必ずしもそうとは言えません。大切なのは、あなたが「どう考え、どう決断したか」です。その結果、上手くいかないことなど山ほどありますし、自分は「正しい」と思っていても他の人から見れば正しくないと思われることもあります。付け加えて言うならば、「前回はその判断でよかったものが今回は望ましくない」というものもあります。
アルファでは卒業し就労された皆さんを支援する「就労定着支援」も行っています。既に就労されて元気にお仕事をされている卒業生も多いらっしゃいますが、日々環境が変わる職場の中で様々な不安や悩みについて相談を受けます。
講座では「こういう場合はこうしましょう」という受け身の正解や模範解答のみを与えるだけの内容ではなく「あなたはどうしますか」という考える内容を用意しています。この力はきっと職場での判断力や思考力に役立つことでしょう。
施設長 花輪