社会性コミュニケーションについて考える。
アルファ王子に通われている利用者の皆さんは日々、コミュニケーションについて様々な訓練を行っています。
今日は「社会性コミュニケーション」について考えていきたいと思います。
誰しも社会の中で様々な関わりを持っています。実は「コミュニケーション」とはあなたの参加不参加、好き嫌いに関わらず遠い昔から常に何処かで起こっています。あなたがたとえコミュニケーションを拒絶したとしても、その反応自体がコミュニケーションなのであり、「沈黙する」ということもまたコミュニケーションの行為だと言うことです。
遠い昔に生きた歴史上の人物を知って感銘を受けたり、好きになったとき、それもまた小説やその他の媒体を通じたコミュニケーションと言えるのではないでしょうか。
社会への関わりについて
では「社会性コミュニケーション」というものは何でしょうか?例えばこのテーマをアルファ王子で例えるのなら、アルファ王子が開設した時から何かしらのコミュニケーションが施設内に存在していて、新しい利用者さんやスタッフがそこに入ってくる。若しくは卒業などで出ていく。つまり、今あなたがアルファ王子に入ってきたとして、この「以前から存在する」コミュニケーションに参加するわけです。そしてあなたが来る前にいらっしゃった利用者さんは卒業してアルファを出ていく。それでもあなたや他の方々のコミュニケーションは続きます。再び新しいコミュニケーションの参加者がそこに加わり、やがてあなたもこのコミュニケーションから出ていく。当然、話題もその都度変化し続けていくのです。これが私達の社会全体のコミュニケーションです。「その程度」と言えばその程度であり、「難しさ」と言えば難しさでもあるのです。
「社会性コミュニケーション」とは変化し続けるもの
先日、アルファ王子のグループワークではそんな「社会性コミュニケーション」を皆さんに体験していただきました。4~5人のグループに別れていただき、スタッフがある短い話題を与えます。「先日◯◯というお店でカレーライスを食べた」と言うような短い話題です。次にそれを聞いた人は「先日◯◯というお店でカレーライスを食べた」という言葉の中からキーワードを選び、再び短い話題を次の人に与えます。「カレーと言えば、私は辛い食べ物が大好きです」と言った感じです。そして次の人は「大好きと言えば、私は◯◯という歌が大好きで毎日聴いています」というように小さなキーワードからどんどん会話をつないでいくのです。そしてグループ全体で一回りしたら1人ずつそのグループを抜け、違うグループのメンバーと1人づつ入れ替わっていく。10分後にはメンバー全員が入れ替わり、当然話題も最初の「カレー」の話から全く異なった話題に変化しています。
社会性コミュニケーションとはこのように話題も人も変化しながら常に何処かで起きているのです。誰しもがそのいくつものコミュニケーションの輪に、出たり入ったりして常に変化しているのです。そう考えると「コミュニケーション」というものが少し気楽に感じるでしょうか?その中で多くの人がコミュニケーションを円滑に進めていく方法を日々学んでいくのではないでしょうか。
怖い、話しかけづらい、好かれたい、嫌われているかも…
それらは全てあなた自身の感情でしかないのです。
だからこそ人間関係は難しくもあり、そして楽しいのです。