そもそも自立出来ているのであれば就労できるはず
アルファ王子に通われている利用者の皆さんは経歴も年齢もそれぞれです。今現在求職中の方でも「資格をたくさん持っている」「これまでに高度な技術や知識を必要とされる職に就いていた」という方がいらっしゃいます。一見、今すぐに企業に勤めても何ら問題がないと思われる方も多くいらっしゃいます。
資格や知識だけでは補えないもの
では、どうして「就労移行支援」といったサービスを利用されるのでしょうか。「資格や技術、知識があれば相応の職に就ける」というほど仕事とは単純な構造ではありません(お仕事を経験されている方は言うまでもなくご存じのことと思われますが)。実際に職場に勤めてみると、人間関係や環境は常に変化していくものです。「昨日は上手く出来たものが今日は出来ない」ということもあります。
Off-JT
就労移行支援事業所で行う訓練はただ資格取得のための勉強やビジネスマナー、専門スキル、作業性を高める実務訓練のみを行う場所ではありません。企業によっては入社したての社員に一定期間の訓練を設けるOJTというものがあります。これはOn-The-Job Trainingといって、実際の職場で上司や先輩社員が指導役となり、部下や後輩、新入社員に対して日常業務を通して社会人としての基礎をはじめとした教育・育成をしていく研修システムのことです。またOff-JT(Off-The Job Training)というものもあります。これは一般的に社外研修のような外部の研修機関などで作成した集合プログラムを行うような研修を言います。一見、アルファ王子のような就労移行支援事業所はこのOff-JTのように、就労を控えた皆さんが一定のレベルに到達できるような集合研修を行う場所のように見えますが、決してそうではありません。
就労移行支援事業所=職場OJTという考え方
われわれは就労移行支援事業所アルファ王子を職場OJTという位置づけで考えます。スタッフは利用者みなさんの先輩社員となり、個別指導を基軸に訓練をサポートいたします。ですから、Off-JT研修の様に全員一律の訓練ではなく、「これが職場だったら」という観点でサポートさせていただいています。資格取得やビジネス訓練、実務作業の前に生活リズムやセルフコントロール(メンタル・体調・時間などの自己管理)を整えることが最重要と考えています。どんなに実務経験や資格が豊富な方でも、会社に入って体調に波がある、もしくは生活リズムやメンタルが不安定では職場環境にあって自立しているとは言えず、長く就労することは難しいでしょう。そういった生活のリズムや基盤からアルファ王子では整えていただいています。利用者のみなさんが企業面接へ伺うと「アルファ王子さんでは月にどのくらい欠席や遅刻なく通えていますか?」という質問が間違いなく向けられます。この質問が示している通り、就労移行支援事業所へ通っている期間というのは企業にとってOJT期間という捉え方が出来るのです。