アルファ王子 公開講座 ②『伝え方』前編
伝え方
毎週金曜日の13:00~14:00 アルファ王子ではグループワークを行っています。アルファ王子に通われている利用者の皆さんは日々様々な訓練に励んでいらっしゃいますが、スタッフとしてよく相談を受けることの多くに「会話が苦手」とか「面接で何を話したらいいのかわからない」といった対人的なものがあります。今日のグループワーク講座ではこのコミュニケーションに関わる部分、とりわけ「伝え方」ということにフォーカスをして行いました。
「話を伝える際のポイント」
世の中には様々な「話し方」のノウハウ本が出版されており、言葉や話をどの様に相手に伝えればいいかという方策について詳しく解説されています。どれも有益な情報であることに間違いはありませんが、実践的な会話の中でそれらが有効性を持って使えるかというと難しいかも知れません。テクニックはあっても「適材適所で活用出来るか」は別のスキルだからです。そこで、今日のグループワークではたったひとつのポイントだけに絞り込んで行いました。
たったひとつのポイントで会話力が格段に上がります
それは話を始める前に「何の話をするのか簡単に言う」ということです。「なぁんだ、そんな事か~」と思うかも知れませんが、話し始めたはいいけどなかなか要点がつかめないままダラダラと話し続けてしまう人は意外と多いのではないでしょうか?聞き手は「いつ終わるんだろ?」とか「何を言いたいんだろ?」ということが気になり、内容に集中出来ないばかりか、話しはもう伝わらなくなってしまいます。ですから話しを始める前に「これからこんな話をするよ~」っていうことを簡単に伝えておくだけで相手は自然に「こんな話」という心構えが出来た状態で話の内容に集中することが出来るのです。本で言えば「題名」、新聞では「見出し」にあたる部分です。
グループワークの前にはスタッフが「こんな話をするよ」という事を伝えなかった場合と伝えた場合で短い話をし、利用者の皆さんが話を聞きやすかったかどうか体験してもらいました。利用者の皆さんには2人ペアに別れていただき、それぞれに雑誌やコラム記事などを配り内容を把握してもらいます。ペアになった相手にはお互いの読んだ内容を相手に伝えてもらいますが、話し始めに「○○についてなんですけど」とか「○○の話をします」といった切り出し方で始めてもらいます。
大切なのは聞き手に準備をさせてあげること
ここで学ぶポイントはたったひとつ、話し始める前に「何の話をするのか伝える」ことです。これをやるだけでも会話力は格段に上がります。言い換えればこれをやらないと相手は「何の話しだろ?」という不安定な気持ちで聞くことになってしまいます。ですからこれは同時に、「聞き手に聞く準備をさせてあげる」というコミュニケーション上の相手への配慮でもあるのです。